icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻2号

1960年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

高安・大西病初期眼底変化について

著者: 広瀨金之助1

所属機関: 1長大医学部眼科学教室

ページ範囲:P.341 - P.345

文献購入ページに移動
Ⅰ.緒言
 従来脈なし病或は高安病〔茲にこれを高安・大西病と呼ぶ。以下同じ〕として報告された症例のうちには,其の眼底変化が本症のそれと全く違うもの,或は全く無いものすらがあつて,単に上半身動脈搏動の消失或は微弱の故を以つて,之れを高安・大西病と診断しているかにみえるものがある。最近の文献に此の傾向が特に著しい。
 然し茲に余のいう高安・大西病は,其の主症状としては常に,上半身主要動脈脈搏の消失或は微弱と同時に,眼底変化として特有なる乳頭周囲に於ける網膜動静脈花環状吻合の存在する疾患を指すものである。蓋し余の研究対象は上記の如き拡大された高安・大西病でなくて,其の発見が高安12)の眼底変化の報告に発端した高安・大西病であつて,いわば狭義の高安・大西病であるから,特有なる眼底変化の存在を除外しては全く無意味となるし,且つ又茲から出発しなければ本症の病因は闡明出来ないと考えたからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?