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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻2号

1960年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

弱視治療の限界と自宅治療併用について

著者: 井上正澄

所属機関:

ページ範囲:P.353 - P.357

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 私達は弱視と云えば先天弱視と廃用性弱視の事を考えて治療不能として見放して来た。近頃治療が可能となつてからはBangerter氏に従えば,弱視は単純弱視reine Amblyopieと比較弱視relative Amblyopieとに区別し,前者には斜視の有無,後者には高度近視,眼震,高度器質障害などを含むとした。しかし現在では斜視の有無と同時に網膜対応異常(abnormal retinal corre-spondence : ARC)併在の有無が重視され,高度近視は範囲を拡大して遠視,乱視,円錐角膜,無水晶体眼など高度屈折異常を含む事としている。
 弱視の定義を判り易く言えば,透光体及び眼底に異常なく,他覚的に健常と思われる眼球で矯正視力が弱い場合,及び眼疾による視力低下の程度が常識を越えて著しい場合である。弱視治療はpleopticsと呼ばれBangerter, Sedanなどが考えた練習器具を用いる視力増強の治療,及びCüppers氏euthyscopeを用いて中心窩だけ見易くして中心固視を促す治療法によつて良い視力を得る症例が多くなつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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