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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻2号

1960年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

メニエール氏症候群の眼症状,特に左右差について—第1報 眼圧について

著者: 川畑隼夫1

所属機関: 1東京医大

ページ範囲:P.401 - P.405

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1.緒言
 メニエール氏症候群(以下メ症と略)は反復する眩暈発作,耳鳴及び難聴を主徴とする疾患である。本症の成因に就ては血管病説,自律神経緊張異常説,水及び塩類代謝異常説,アレルギー説,焦点感染説等が唱えられておるが何れも本症の成立機転を完全に解明する事は不可能であつて本症の本態は依然として不明の領域に属して居る。その症状を観察するに眩暈発作の際顔面蒼白,悪心,嘔吐,冷汗等の自律神経系異常の症状が現れ,一側が侵されるものが大部分であり両側性に来る場合でも左右側の症状を比較してみると著明な差異が認められる。
 此等の事実は自律神経の平衡異常を思わせるものであり,自律神経の平衡異常が存する限り聴器のみでなく眼機能にも亦左右差が当然起る可きであり然も聴器機能より鋭敏な眼機能の方が左右差は明瞭であると考えられる。斯の如き見地よりメ症の本態の解明の一助に資する為,眼症状特に眼圧,網膜中心動脈血圧,瞳孔径変動に就て検査を行い聊か成績を得たので第1報とし眼圧の左右差の成績を茲に報告する次第である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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