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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻2号

1960年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

対光瞬目反射の神経生理学的意義(第1報)

著者: 大塚良作1 吉村博任1 正橋剛二1 鳥居方策1 米村大蔵2

所属機関: 1金沢大学医学部精神医学教室 2金沢大学医学部眼科

ページ範囲:P.571 - P.579

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 正常人257名,進行麻痺及び脊髄癆合併例47名の対光瞬目反射を検索し,次の結果を得た。
 1.正常人では257名中対光瞬目反射の欠如するもの7名,その陰性率は2.7%であり,変性梅毒群においては94眼中18眼に欠如し,その陰性率は19.1%で正常人に比して極め高率を示す。
 2.変性梅毒患者中Argyll-Robertson 瞳孔(ARP)を有するものは94眼中15眼でその出現率は15.9%である。
 3.対光瞬目反射欠如とARP症候群の成因の間には推計学的に密接な関連が証明されるが,しかし,両者が完全に一致するとは限らない。
 4.Argyll-Robertson瞳孔の成立条件をなす個々の症状と対光瞬目反射欠如との関連について検討を加えたが,そのうちの或症状のみに特に強い因果関係を示すということはない。
 5.変性梅毒に頻発する瞳孔歪形と対光瞬目反射との間にも直接的な関連は見出し得ない。
 以上の結果に基いてArgyll-Robertson瞳孔の発現機制について考察を加え,AR瞳孔の中枢説を支持する見解に到達した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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