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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻2号

1960年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

眼窩骨折とWaters氏の鼻尖頤位撮影像

著者: 田辺竹彦1 山林繁1 高柳泰世1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.597 - P.600

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緒言
 近時交通機関の発達,重工業及び近代スポーツの発展につれて,顔面に外傷を受ける者の数が増した。これ等の患者を外来に迎えて,頭蓋の骨折が疑われる時は,視神経管撮影と同時に,眼窩を構成する諸骨に,骨折があるかどうかを検討しなければならない。周知の如く眼窩のレ線像は,その構造上読影がきわめて困難で,臨床的に骨折の診断を下し得るにも拘わらず,尚レ線上その所見を認め得ぬ事がある。しかしながら,臨床像に加えてレ線上に所見を認め得たならば,診断は決定的となるのみならず,合わせて骨片の正確なる位置,偏位の程度,遊離骨片の相互位置を知ることが出来るので,如何なる場合にも,これを欠くことは出来ない。殊に他日事件が法廷で争われるような場合,レ線像の重要性は論をまたない。
 我々は最近,従来のCaldwell氏撮影法に加えて,Waters氏法を用いて,比較的良い結果を得たので報告する。Waters氏法は1915年に,鼻洞を呈示する為に,WatersとWaldronに依つて発表され,その特徴は,

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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