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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻3号

1960年03月発行

文献概要

特集

網膜剥離に対する鞏膜短縮術の我々の経験—特にその適応選定を中心として

著者: 浅山亮二1 岸本正雄1

所属機関: 1京大眼科

ページ範囲:P.651 - P.661

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 網膜剥離に対する手術療法として,Goninによつて創始された網膜裂孔閉塞術は,ジアテルミー凝固術の応用によつて,華々しき発展と普及を逐げ,Goninの発表以来20余年の間は,手術の焦点は専ら網膜裂孔閉塞にのみ向けられ,加えて網膜下液の可及的排除ということが考慮せられている状態であつた。本法による治癒率は発表した術者により多少の差はあるが平均して概ね70%である。かかる治癒率より鑑みても本法の適応に限界があることが明らかである。即ち剥離を相当数取扱つた手術者ならば,ジアテルミー凝固法のみを以てしては到底治癒が覚束ないと初めから推定されるようなtypeの網膜剥離を,容易に脳裡に描出することが出来るであろう。かかる方法上の行詰りを打破する手段として,1950年頃より期せずして欧米各地に於て,古くMüllerに起源を発する鞏膜切除短縮術の併用が再認識される機運となつた。最初の数年間は,専ら予後不良が予測される悪性乃至重症網膜剥離を対象とすべき手術法として行われていたが,其の後施行者の増加に伴なつて,手術方法細部の改案が多数発表せられる一方,その適応選定の範囲も漸次拡大せられる傾向が観取され,ここ数年の欧米誌上より窺われる傾向は,初期に考えられていた以上に繁用せられている趨勢にある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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