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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻3号

1960年03月発行

文献概要

特集

鞏膜皺形短縮術に関する実験的組織学的研究

著者: 三浦準1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.663 - P.689

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Ⅰ.緒言
 1916年Goninが,網膜剥離に対して烙刺法による裂孔閉鎖術の手術を行い,更にWeve,Safer等が,鞏膜を露出してジアテルミーを用い裂孔周囲に癒着瘢痕を作る方法を考案してから一層の効果をあげた。今日大多数の臨床家はこの方法を用いているが,この術式が一応完成の域に達しても,尚治癒し得ない網膜剥離の症例が約1/4位は存在するといわれている。近年これらの症例に対して鞏膜短縮術その他の手術法が新しく施行される様になつて来た。網膜剥離に対しての鞏膜短縮術は,Gonin裂孔閉鎖術の発見前既に1903年,Müllerによつて唱えられたのであるが,2〜3の迫試者の成績の芳しくなかつた事や裂孔閉鎖術の華々しい普及と共に多くの人々から忘却されていたが,1933年,Lindnerが通常の裂孔閉鎖術では治癒せしめ得ない悪性の網膜剥離に対して,鞏膜短縮術の価値を再認識し,この追試を行い好成績を収めて以来再び鞏膜短縮術が,時代の脚光を浴びる事になつて来た。現在鞏膜短縮術には3つの方法があり,それらは鞏膜全層切除術,鞏膜部分層切除術及び鞏膜皺形短縮術である。Lind-nerの発表以来欧米に於ては,鞏膜全層切除術及び鞏膜部分層切除術に対する動物実験の成績の比較検討が行われ,更にこれら術式の臨床例が報告されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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