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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻3号

1960年03月発行

文献概要

特集

ジアテルミー凝固と鞏膜短縮術併用の再検討

著者: 三井幸彦1

所属機関: 1徳大

ページ範囲:P.736 - P.739

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 網膜剥離の手術のやり方には色々あるけれども,その中で鞏膜短縮とジアテルミー凝固とを併用するやり方に就ての私の見解を申し上げる。まず結論から先に申し上げると,従来この方法は,他の手術が無効だつたような症例に用いるのが良いと考えられていた。併し私の結論は,この方法は多くの特発性網膜剥離に対して,Method ofchoiceとして,第1に行つて良い方法だと考えられる。まだ私の経験は充分であるとは云えないけれども,今日お話するような方法を取つてから現在までに,熊本及び徳島で,12例の網膜剥離をこの方法で手術した。その中11例までは1回の手術で治つた。1例は再発したけれども再手術に依つて治つた。この成績は従来の他の方法に依つて行つた網膜剥離の成績よりも,私の経験する限りでは最も良い成績であつた。本日はその術式を主として解説したい。
 写真で術式の要点を説明する(天然色スライドから複製したので,印刷の写真は少し不鮮明である)。術前の諸測定等は一般の場合と同じであるから特に述べない。手術はまず瞬目麻酔を行い,次いで球後麻酔をかける。次いで結膜を輪部から3〜4mm離れた所で大きく切開する。切開は輪部と平行にするより,少し両端が輪部と離れるような形にする方が良い。次いで結膜下を後方に剥離する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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