文献詳細
臨床実験
文献概要
Ⅰ.緒言
新生児の分娩時における眼外傷の中で最も発生頻度の高いのは網膜出血であり,これは予後は良好であるとされている。新生児の網膜出血に関する研究は従来外国には比較的数多くみられるが,わが国においては意外に少なく,新生児の網膜出血に対して関心がないように思われる。文献によると,新生児の網膜出血は頭蓋内出血ときわめて密接な関係があり,また,先天性弱視,斜視ならびに眼球震盪などの眼科的疾患の原因となるので注目すべき疾患である。著者らは新生児の眼底出血の有無または程度によつてある程度頭蓋内出血を推定できるものと考え,また,網膜出血を予防するならば弱視,斜視ならびに眼球震盪などの将来の疾患を末然に防止できるものと考える。ここに新生児の眼底検査の意義を見出すものである。最近,著者らは200例の新生児を対象として,網膜出血と分娩時諸条件との関係を追試し新知見を得たのでその結果を報告する。
新生児の分娩時における眼外傷の中で最も発生頻度の高いのは網膜出血であり,これは予後は良好であるとされている。新生児の網膜出血に関する研究は従来外国には比較的数多くみられるが,わが国においては意外に少なく,新生児の網膜出血に対して関心がないように思われる。文献によると,新生児の網膜出血は頭蓋内出血ときわめて密接な関係があり,また,先天性弱視,斜視ならびに眼球震盪などの眼科的疾患の原因となるので注目すべき疾患である。著者らは新生児の眼底出血の有無または程度によつてある程度頭蓋内出血を推定できるものと考え,また,網膜出血を予防するならば弱視,斜視ならびに眼球震盪などの将来の疾患を末然に防止できるものと考える。ここに新生児の眼底検査の意義を見出すものである。最近,著者らは200例の新生児を対象として,網膜出血と分娩時諸条件との関係を追試し新知見を得たのでその結果を報告する。
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