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臨床実験
Retinal dysplasiaの1例
著者: 小川一郎1 森田之大1
所属機関: 1新潟大学眼科
ページ範囲:P.868 - P.872
文献購入ページに移動 眼の奇型と脳の奇型が屡々同時に起ることに就ては既に古くからKundrat (1886),Raehlman(1896)等により注目されたところであるが,最近ではKrause (1946)により"Congeital ence-phalo-ophthalmic dysplasia"として報告されている。然し当時はまだ後水晶体増殖症が確認されていなかつたため屡々これと混同されていたものであるが,1950年Reese and Blodiにより先天性発育異常である本症を後水晶体増殖症と区別してretinal dysplasia網膜形成不全症と命名し,文献上から相当例15例を蒐集し自験8例を加えて記載されたのが初めての報告である。其後Mye-rschwickerath (1953),Mac Donald and Daw-son (1954)等により各1例の症例報告があるが,1958年Reese and Straatsmaは更に44例に就て詳細な研究を行い,両眼,中枢神経系及び全身の他の系統を侵し,瀰慢性発育異常を示す完全型と全身異常を伴わず網膜の発育不全のみを示す不完全型に分類している。前者に属するものが17例,後者は27例であつたと述べている。
私共はLeukokoria白色瞳孔所見にて網膜膠腫を疑われた本症不完全型の1例に遭遇し,その眼球を剖検する機会を得たのでここに簡単に報告する。
私共はLeukokoria白色瞳孔所見にて網膜膠腫を疑われた本症不完全型の1例に遭遇し,その眼球を剖検する機会を得たのでここに簡単に報告する。
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