icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻5号

1960年05月発行

文献概要

銀海余滴

孫弟子からみた河本先生(4)—河本重次郎先生御生誕100年祭にあたりて

著者: 須田経宇1

所属機関: 1熊大眼科

ページ範囲:P.25 - P.25

文献購入ページに移動
「御馳走の約束」
 私共の医局に居た頃は,桜の咲く四月の初めには九段富士見町の先生のお宅に医局員を呼んでお宅の有名なコックの洋食を御馳走をして下さることが慣わしになつていました。そのときには勲一等の勲章をみせて頂き,又大正天皇の御大典のとき,荒木寛三郎京大総長が先生よりズッと後に居たよと笑われながら,宮中席次の話をされたものでした。
 或るとき医局で突然先生は私に,先生の御郷里豊岡へ一緒に行こう,そしてその近くの城崎温泉へ行つて一杯飲もう,芸者は僕がおごると御郷里を自慢されながら私に約束されたことがありました。その時は余程御気嫌が良かつたのでしよう。御気嫌が良かつたと云えば,昭和5年の大阪で日眼総会があつたとき,私の父は河本先生から「かき船」を御馳走になつたことがあるそうです。先生は他所で他人におごることはなさらなかつたそうで非常に稀しいことだと帰宅後私に話してくれました。よつぽど御気嫌が良かつたのだろうと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら