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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻5号

1960年05月発行

文献概要

臨床実験

白内障治療剤の使用経験—その2 シネラリヤ点眼藥

著者: 浅山亮二1 天津学1 白紙敏之1 上野一也1

所属機関: 1京大眼科

ページ範囲:P.957 - P.961

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緒言
 Cineraria maritimaの浸出液を主成分とするSuccus Cineraria maritima (以後本文中S.C M.と略す)が溷濁水晶体物質の吸収に役立つ事が知られ,本邦では1954年,藤山1)が外傷性白内障に本剤を点眼して溷濁水晶体の吸収促進に効果があるらしいと報告した。以後藤山2)〜3)は症例を逐次追加して,水晶体の前嚢が破砕されている場合であれば,S.C.M.が「白内障の治療薬」として卓効のある事を証明し,確信をもつて報告されるに至つた。その他佐伯5),大島6),秋谷7),宮崎8),鵜川9)等も臨床実験を報告しているが,これらの諸報告を通覧すると,毎常すぐれた効果を発揮するとは限らないにしても,可成りの著効例或は有効例の例数が数えられるのである。
 若し,この.S.C.M.が溷濁水晶体の吸収に効果があるものなれば,本剤を手術後の治療に応用して,残留水晶体質の吸収に,いささかの効果を期待してもよい訳である。この意図によつて,今回当教室は各種白内障の手術後にS.C.M.を点眼し,その効果についての観察を行つたのでその成績をここに発表し,且つ考察を加えた次第である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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