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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻6号

1960年06月発行

臨床実験

角膜脈波伝達時間測定時に於ける角膜の意義について

著者: 川嶋菊夫1

所属機関: 1慶大眼科教室

ページ範囲:P.1092 - P.1095

文献概要

緒言
 慶大式電気眼底血圧計により描記される角膜脈波の問題について最近漸く云々されて来た。その第一の問題として脈波の伝達時間の問題がある。1955年山本氏は本装置を用い角膜脈波伝達時間を測定され,そのECG-Q点より脈波起始点に至る時間の意外に遅くFismyer氏による末梢血管脈波に関する研究と一致せざる点に疑問をもたれ,解剖学的に網膜,脈絡膜の問題にあると一応解釈せられた。又1959年鈴木氏はこの伝達時間に疑問をもたれ眼球被膜特に角膜の動きに問題点を移され模型実験をもとに論議され,圧上昇時は眼球が伸展され,眼内圧変動時角膜は反つて凹み脈波は反転するのだと解釈せられた。更に金子氏は眼球の特異性と之に加圧と云う因子が加わる為め脈波は遅くなるのだと説明されている。著者はこの問題に生理学的検討を加え興味ある結果を得,これが本問題の解明の一助になる事を期待し茲に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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