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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻6号

1960年06月発行

文献概要

談話室

アメリカのコンタクトレンズの現況—見聞記(3)

著者: 水谷豊1

所属機関: 1日本コンタクトレンズ研究所

ページ範囲:P.1103 - P.1106

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12)Con-LishとDr.Cepero
 Con-LishとはSpherconと同様に一商標名であり,私が敢て,その宣伝員として,提灯を持つわけではない。然しCon-Lishのアイディアは,私の滞米中興味の持てる一つであつたし,それにも増して,私はDr.Ce-peroの人柄が大変気に入つたので,ここに紹介する次第である。Con-Lishとは"Conical and concentricpolishing"の謂いで,コンタクトレンズの辺縁部の形成を,系統的に行う方法であり,今迄縁取りに手とパフを用いて行つていたレンズは,これを拡大して見ると,同じ人が仕上げたレンズでもまちまちであり,相当粗雑であるので,その改良の必要に迫られ,180°,140°,90°,60°,40°の研磨面を持つ器械を作り,レンズ縁を,これらの器械に順次にかけて,レンズ縁をカツトし又研磨し,理想の縁取りを行う事に成功したわけである。5分から5秒に亘る諸段階の研磨工程を経て,臨床的に,最も異物感の少い辺縁を持つコンタクトレンズを作り出すのである。手先の不器用なアメリカ人には,恰好な装置であると言えるし,又一定の同じ型のレンズを仕上げる上から言つて,理想的とも言い得る。然し乍ら,この方法で,レンズ縁の総ての円みをうまく作り出すのに,満点であるとは保証しかねる点があり,スピードの点でも案外時間がかかつて,かえつて不便であると批評する人もある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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