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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻7号

1960年07月発行

文献概要

銀海余滴

人道的実験技術

著者: 桐沢長徳

所属機関:

ページ範囲:P.1187 - P.1187

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 前号で私は「犬の豪華アパート」という短文を書いてその中で動物実験をする人の態度について考えてみた。所が,図らずも丸善の雑誌「学鐙」の最近号にのつている新刊書紹介の中に,Russell,Burchという著者(英人)が"the Principleof Human Experimental Tech-nique"という本を出していることが安東洪次氏によつて述べられている。その内容は動物実験に於ける根本原理を説いたもので「実験動物を平安から苦悩に至る精神状態の階段の,できるだけ上位の状態に動物を置くことが『人道的』というわけで,これによつてのみ正確な科学的成績が期待出来る」と述べて居り,丁度私が前項で抱いた感想を見事に裏付けている。
 この本の内容については私もまだ読んでいないので分らないが,動物の種々の環境がその生理的反応に及ぼす影響を詳しく説いてある由である。然し,私が今問題にしたいのは,その内容の詳細よりも,このような根源的な反省を日本の実験者が真剣に考えたことが果してあるだろうか,という点である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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