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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻8号

1960年08月発行

文献概要

日本トラホーム予防協会会誌

台湾台北市における新生児のトラコーマ初感染について

著者: 沈啓文12

所属機関: 1日本大学眼科教室 2省立台北病院眼科

ページ範囲:P.35 - P.41

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緒言
 トラコーマ(以下トと云う)の初発症状については,長い間詳しいことが知られていなかつた。ようやく最近になつて日大国友教授および松永,堀氏らの協同研究者の努力によつて,この問題に解明が与えられた。多くの場合,われわれは世の中の子供達を,彼らが小学校に入学した時に初めて検診する習慣になつている。その時には彼らの中の何%かは既に立派なトの症状を示している。既にトは出来上つてしまつているのである。こんなトが何時,如何なる症状を以て始り,どんな経過をとつて発育してきたのであろうかという疑問は,当然起つてくるのであるが,今迄は知られていなかつたのであつた。
 国友教授等の研究によれば,日本のトはその蔓延地に於ては,多くは生後1年以内にトの初感染をうけ,その後自然治癒的傾向を示すが,非衛生的環境下では再(重)感染をうけ易く,かつ一般非衛生的日常生活の悪影響をうけて,漸次慢性ト的な結膜症状を呈して来ると云う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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