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日本トラホーム予防協会会誌
台湾台北市における新生児のトラコーマ初感染について
著者: 沈啓文12
所属機関: 1日本大学眼科教室 2省立台北病院眼科
ページ範囲:P.35 - P.41
文献購入ページに移動緒言
トラコーマ(以下トと云う)の初発症状については,長い間詳しいことが知られていなかつた。ようやく最近になつて日大国友教授および松永,堀氏らの協同研究者の努力によつて,この問題に解明が与えられた。多くの場合,われわれは世の中の子供達を,彼らが小学校に入学した時に初めて検診する習慣になつている。その時には彼らの中の何%かは既に立派なトの症状を示している。既にトは出来上つてしまつているのである。こんなトが何時,如何なる症状を以て始り,どんな経過をとつて発育してきたのであろうかという疑問は,当然起つてくるのであるが,今迄は知られていなかつたのであつた。
国友教授等の研究によれば,日本のトはその蔓延地に於ては,多くは生後1年以内にトの初感染をうけ,その後自然治癒的傾向を示すが,非衛生的環境下では再(重)感染をうけ易く,かつ一般非衛生的日常生活の悪影響をうけて,漸次慢性ト的な結膜症状を呈して来ると云う。
トラコーマ(以下トと云う)の初発症状については,長い間詳しいことが知られていなかつた。ようやく最近になつて日大国友教授および松永,堀氏らの協同研究者の努力によつて,この問題に解明が与えられた。多くの場合,われわれは世の中の子供達を,彼らが小学校に入学した時に初めて検診する習慣になつている。その時には彼らの中の何%かは既に立派なトの症状を示している。既にトは出来上つてしまつているのである。こんなトが何時,如何なる症状を以て始り,どんな経過をとつて発育してきたのであろうかという疑問は,当然起つてくるのであるが,今迄は知られていなかつたのであつた。
国友教授等の研究によれば,日本のトはその蔓延地に於ては,多くは生後1年以内にトの初感染をうけ,その後自然治癒的傾向を示すが,非衛生的環境下では再(重)感染をうけ易く,かつ一般非衛生的日常生活の悪影響をうけて,漸次慢性ト的な結膜症状を呈して来ると云う。
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