icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻9号

1960年09月発行

文献概要

臨床実験

Resochinによる春季カタルの治療

著者: 小口昌美1

所属機関: 1日本医科大学眼科教室

ページ範囲:P.1409 - P.1411

文献購入ページに移動
 春季カタルの治療に就ては古来幾多の薬剤が用いられている。近来副腎皮質ホルモンの登場によりコーチゾン等は春季カタルの治療に大いに期待され,且つ用いられている。併しホルモン剤は長期間使用したり又全身的に適用する場合の副作用等をも考慮されて来て,コーチゾン等の春季カタルに対する期待も幾分薄らいで来たと云うのが現状である。其処で他の治療法の必要が起つてくるのである。本病が結膜のアレルギー反応であることが確定的である現在,それに対する治療法は当然抗アレルギー剤の適用が先ず必要であると考えられる。抗アレルギー剤の使用に依り相当の治療的効果をあげているのも事実である。
 抗アレルギー剤として従来春季カタルに対して使用されて来たものは(1)交感神経興奮剤,これはアドレナリン,コカイン等の点眼である。(2)抗ヒスタミン剤,これはレスタミン等の点眼及び注射等,(3)ホルモン剤,これは主として副腎皮質ホルモンのコーチゾン等の点眼又は注射である。ホルモン剤としては此他にオバオルモンが用いられたことがある。これは春季カタルが青少年に多く女子に少いから何等かのオバホルモンと関係はないものかと云う考えから出発したものであるがその成果は余り期待出来ないようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?