文献詳細
文献概要
眼科新知識
細隙燈検査の基本
著者: 三井幸彦1
所属機関: 1徳島大
ページ範囲:P.1449 - P.1454
文献購入ページに移動 現在の眼科の診療に於て細隙燈顕微鏡検査程広い範囲で欠かすことの出来ない検査はない。従来暗室検査の代表的なものとして斜照法,徹照法,倒像(又は直像)眼底検査の3つが基本的な検査として欠くことの出来ないものであつた。併し現在ではこれらの検査は暗室検査のいわばSurveyとして行うに止まり,その結果を細隙燈顕微鏡によつて詳細に確認してはじめてより高次の診断がつけうるようになつた。又細隙燈顕微鏡検査は初心者と熟練者との差を従来の暗室検査よりずつと小さいものにちぢめてくれる。従来の暗室検査では初心者と熟練者とではその「読み」に非常に大きな差があつた。例えて言えば,非常な熟練者だけが充分の読みをすることが出来る。初心者は及第点に達するまでには何年もの経験を要し,充分読めるようになるには十年以上経験を要したと言える。細隙燈顕微鏡検査は数カ月で初心者を及第点に達せしめる。且つ従来の方法の及第点を6点とすれば,細隙燈顕微鏡検査の及第点は60点にたとえられる。したがつて細隙燈顕微鏡を用いれば,初心者も短時間に,非常な熟練者でも従来の方法ではとても出来なかつたような,高次の所見を読みとることが出来るようになる。
細隙燈顕微鏡は一つの精密器械である。従つてその正しい使い方の基本を身につけなければこれを正しく使うことは出来ない。これに関しては次のような事実を考えてみる必要がある。現在電子顕微鏡の普及率は日本は世界の最高水準にある。
細隙燈顕微鏡は一つの精密器械である。従つてその正しい使い方の基本を身につけなければこれを正しく使うことは出来ない。これに関しては次のような事実を考えてみる必要がある。現在電子顕微鏡の普及率は日本は世界の最高水準にある。
掲載誌情報