文献詳細
文献概要
手術
外傷後の高度外反症に対する皮膚移植の1例
著者: 百々隆夫1 荒木敬二1
所属機関: 1京府医大眼科教室
ページ範囲:P.23 - P.27
文献購入ページに移動まえがき
本症例は,交通事故により顔部より頭部にかけて広範囲に受傷し,前頭部より眉毛部にかけて既に前後3回の手術をうけたが,瘢痕性外反症を胎したために吾々の眼科を訪れたものである。
形成手術は,形態的な損傷を治癒せしめると同時に,機能的な回復を求めることが大切な目的である。眼部における形成手術は,眼に特有な機能回復をはかるために,時としては形態的な不充分さを忍ばねばならぬことさえある。例えば,正面位に於て,瞼裂が左右つりあつたとしても,瞼の閉鎖が出来なければ,兎眼症による眼障害が早晩失明の危険を招く可能性のあることを考慮しなければならない。このような意味で,例えば顔面神経麻痺の兎眼症に対しては,左右の瞼裂に形態的不均等を来す結果になつても,瞼板縫合により瞼裂縮小術をおこなうべきである。
本症例は,交通事故により顔部より頭部にかけて広範囲に受傷し,前頭部より眉毛部にかけて既に前後3回の手術をうけたが,瘢痕性外反症を胎したために吾々の眼科を訪れたものである。
形成手術は,形態的な損傷を治癒せしめると同時に,機能的な回復を求めることが大切な目的である。眼部における形成手術は,眼に特有な機能回復をはかるために,時としては形態的な不充分さを忍ばねばならぬことさえある。例えば,正面位に於て,瞼裂が左右つりあつたとしても,瞼の閉鎖が出来なければ,兎眼症による眼障害が早晩失明の危険を招く可能性のあることを考慮しなければならない。このような意味で,例えば顔面神経麻痺の兎眼症に対しては,左右の瞼裂に形態的不均等を来す結果になつても,瞼板縫合により瞼裂縮小術をおこなうべきである。
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