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臨床実験
眼部真菌感染症並びにその治療に関する研究
著者: 林幹雄1
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.35 - P.54
文献購入ページに移動緒言
1929年Alexander Fremingによつて,Peni—cillineの抗菌作用が発見されて以来,多数抗生物質の誕生を見,広い範囲に亘つた臨床的応用に著しい効果を示すに至つたが,その反面に所謂菌交代現象としての真菌感染症が急激に増加を示し,臨床各科の領域に於てとくにその対策が学会の焦点となつている。
この傾向は眼科領域に於ても同様で,1955年,花房1)は,副腎皮質ホルモン剤の使用増加と共に難治性の角膜炎——角膜に潰瘍を生じ,抗生物質の使用に抵抗して進行し,副腎皮質ホルモン剤の使用により更に増悪する——の増加したことを指摘して,本症は今まで病原菌としては,さしたる注意をもかえりみられていなかつた真菌の感染により発症したものであることを証し,この角膜真菌症は副腎皮質ホルモン剤の局所使用によつて,結膜嚢内に増加した真菌が,病原性を得ると同時に,局所組織の感染に対する感受性が高まるために誘発されるものであると報告して以来,特に重要視されるに至つた。
1929年Alexander Fremingによつて,Peni—cillineの抗菌作用が発見されて以来,多数抗生物質の誕生を見,広い範囲に亘つた臨床的応用に著しい効果を示すに至つたが,その反面に所謂菌交代現象としての真菌感染症が急激に増加を示し,臨床各科の領域に於てとくにその対策が学会の焦点となつている。
この傾向は眼科領域に於ても同様で,1955年,花房1)は,副腎皮質ホルモン剤の使用増加と共に難治性の角膜炎——角膜に潰瘍を生じ,抗生物質の使用に抵抗して進行し,副腎皮質ホルモン剤の使用により更に増悪する——の増加したことを指摘して,本症は今まで病原菌としては,さしたる注意をもかえりみられていなかつた真菌の感染により発症したものであることを証し,この角膜真菌症は副腎皮質ホルモン剤の局所使用によつて,結膜嚢内に増加した真菌が,病原性を得ると同時に,局所組織の感染に対する感受性が高まるために誘発されるものであると報告して以来,特に重要視されるに至つた。
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