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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻11号

1961年11月発行

手術

糖尿病患者の白内障手術について

著者: 谷道之1

所属機関: 1京都府立医大眼科教室

ページ範囲:P.1165 - P.1171

文献概要

I.まえがき
 Insulinの発見されるまで,糖尿病になつた患者の平均余命は数年にすぎなかつたが,Insulin療法が導入されていらい,糖尿病患者の寿命がしだいにのびてきた。しかし,糖尿病は完全治癒をのぞむことがむずかしい疾患であるから,ながくわずらつているあいだにいろんな合併症が発生してくる。
 事実,昏睡死をきたすものは非常に減つたが,糖尿病の合併症はむしろ増えてきている(第1表)1)。すなわち,1900年のNaunyn時代には糖尿病昏睡で死亡したものが64%あつたがが,Ba—ntigがInsulinを発見してからのちは,著明にへり,8.3%となり,さらに1945年以降には1.8%となつている。これに対して,動脈硬化症の合併による死亡率は,しだいに増え,1945年には70%にたつしている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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