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臨床実験
脳底の血栓性静脈炎に併発した眼窩蜂窠織炎の1例
著者: 佐野七郎1 秋元正二 武本信年
所属機関: 1慈医大眼科
ページ範囲:P.1233 - P.1237
文献購入ページに移動炎症性静脈洞血栓症は,今日の化学療法を以つてしても,予後は尚楽観を許さない疾患である。臨床的には,多種多様を呈し,その原因を炎症性血栓と考えるのは,単に想像であるに過ぎない場合も多く,時に診断は極めて困難なこともある。又種々の抗生物質投与を行つても,耐性菌であつたり,時期を逸したりすれば,一時的な炎症の消退は見られても,脳栓塞,軟化,出血等の脳実質の循環障害によつて,重篤な予後を招来することも稀でない。私共は不幸死の転帰をとつた脳底の広汎な血栓性静脈洞炎及び脳栓塞に併発した眼窩蜂窠織炎の一例に遭遇し,且つ剖検所見を得たので報告しようと思う。
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