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特集 第14回日本臨床眼科学会講演集 (1)
網膜色素変性症の治療及び病因論について—特にATPとDOCAの効果
著者: 神鳥文雄1 福永喜代治1
所属機関: 1鳥取大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.215 - P.224
文献購入ページに移動網膜色素変性症に対してその病因論,及び治療法につき近年頓に活発な研究が行われているが,未だその何れに対しても決定的なものはなく,なお眼科領域に於ける難症の一つである事は周知の通りである。今日迄行われて来た治療法の主なるものを挙げてみても第1表の如く30余種があり,更に之等2種以上の複合療法をも数え合わせると,極めて多数の治療法が行われて来ている事がわかるのである。これらのうちで定評のあるのが脳下垂体移植であるが,私達は第57回中国,四国眼科学会において,水野等2)の報告したカタリン,高エネルレギー燐酸結合体ATP (Adenosinetriphosphate),副腎皮質ホルモンの一種DOCA(11—desoxycorticosterone Acetate),及び脳下垂体を各々単独に本症患者に投与を試み,その結果DOCAも本症に有効であると云う結果を得て報告した。今回著者はATP及びDOCA投与群の主として内分泌機能検査を実施し,一部はその投与前後の値を比較してみたのでここに合わせて報告する。
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