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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻2号

1961年02月発行

文献概要

特集 第14回日本臨床眼科学会講演集 (1)

コンタクトレンズの収差に関する理論的並びに臨床的研究(その1)

著者: 秦徹郎1

所属機関: 1順天堂大学眼科教室

ページ範囲:P.253 - P.283

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第1章緒言(introduction)
 レンズには必ず収差がある。収差があればレンズ結像上の誤りを来たして鮮明な像を得ることが出来ず,レンズとしての機能が半減する。ことにコンタクトレンズのような,1枚の単レンズでその曲率半径が一般光学レンズに比して小さいものは当然レンズ結像上の誤り,つまり各種の収差を多くもつている事は容易に推察せられる。臨床的にもコンタクトレンズ装用時に物体が2つに見える,近見障害が時おり起る,点光源が散つて見える,或いはレンズが動くために物がぼけて見にくい,等の患者の訴えに接する事がある。コンタクトレンズの製作技術が進み,その規格も日本コンタクトレンズ学会規格が設けられて,レンズの精度が向上し,終日装用が常識となつた今日,また再びコンタクトレンズの光学について更に一段と掘り下げ,コンタクトレンズの持つ収差の問題について考えて見る必要があるのはこの為である。
 レンズの収差にはザイデルの5収差1)を初め,軸上の色収差11)等がある。ここではいわゆる軸上の球面収差を中心として,ザイデルの5収差につきそれぞれ研究を進めて見た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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