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特集 第14回臨床眼科学会号(2) 綜説
大脳半球摘除術による眼症状
著者: 飯沼巌1 坂口健1
所属機関: 1和歌山医大眼科学教室
ページ範囲:P.303 - P.306
文献購入ページに移動1.緒言
大脳疾患に対して,最近外科的療法が行われるようになつた結果,今まで殆んど不明であつた大脳に関する知見が漸次明らかにせられつつあるようである。私達は最近当大学第1外科に於て,不完全ながら,大脳半球を摘除された患者の眼検査を行う機会があつた。必ずしも充分な検査を行つたわけではない。しかしながら元来大脳半球摘除術を受けるような患者は大低知能の著しく劣つた者であるとか,あるいは小児等である故に,自覚的な検査成績を主とした眼症状を知る上に,信頼するに足る成績を得ることが困難な場合が多い。本患者は一応社会的に責任ある活動をしている人であつて,その検査成績は患者の自供に関する限り信頼できると思われる。それ故に,現段階に於ては,このような手術による眼症状の変化を報告することも,殆んど不明に近いこの方面の知見に資するものがあろうかと考えられるので,ここにその概要を報告する。
大脳疾患に対して,最近外科的療法が行われるようになつた結果,今まで殆んど不明であつた大脳に関する知見が漸次明らかにせられつつあるようである。私達は最近当大学第1外科に於て,不完全ながら,大脳半球を摘除された患者の眼検査を行う機会があつた。必ずしも充分な検査を行つたわけではない。しかしながら元来大脳半球摘除術を受けるような患者は大低知能の著しく劣つた者であるとか,あるいは小児等である故に,自覚的な検査成績を主とした眼症状を知る上に,信頼するに足る成績を得ることが困難な場合が多い。本患者は一応社会的に責任ある活動をしている人であつて,その検査成績は患者の自供に関する限り信頼できると思われる。それ故に,現段階に於ては,このような手術による眼症状の変化を報告することも,殆んど不明に近いこの方面の知見に資するものがあろうかと考えられるので,ここにその概要を報告する。
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