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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻3号

1961年03月発行

文献概要

特集 第14回臨床眼科学会号(2) 綜説

三次白内障について

著者: 増田義哉1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.365 - P.368

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まえがき
 水晶体の嚢外摘出が行われた後,或は外傷等によつて水晶体嚢が破壊されて,水晶体質の大部分が吸収された後,不透明な水晶体の一部が残つて,瞳孔の光通を妨けているものを,二次白内障とか,或は後発白内障と通常は呼んでいるが,庄司義治1)先生は,Cataracta secundariaなる語は,緑内障に於けるGlaucoma secundariumと同様に,他に眼病があつて水晶体の混濁を起こしたもの,即ち今日一般にCataracta complicata(併発白内障)と呼んで居るものをいい,今日一般に後発白内障(Cataracta secundaria)と云つて居るものは,残留白内障(Cataracta residua)と名づける方が合理的であると述べている。
 然るに嚢内摘出の行われた後は,瞳孔領に何等水晶体を残さないし,又高等動物に於ては,水晶体の再生と云う事も認められないのであるから,人眼に於いては,瞳孔領は全く透明である筈であるが,時に稀ではあるが,嚢内摘出後に,瞳孔領に,灰白色の膜様形成を見る事がある。是は永い間の術後虹彩毛様体炎或はその他の眼内炎の後に生ずるもので,色素を持つた稍々厚い灰白色の膜で,虹彩と癒着して,瞳孔領を塞ぐものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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