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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻3号

1961年03月発行

文献概要

特集 第14回臨床眼科学会号(2) 綜説

新生児封入体性結膜炎について

著者: 盛直之1

所属機関: 1関西電力病院

ページ範囲:P.368 - P.373

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緒言
 新生児封入体性結膜炎(以下新封結と略す)の病原がプロワツェク氏小体(以下プ氏小体と略す)であることは1909年Stargardt1),Schmei—chler2),Heymann3)以来多数の報告があり,この新封結の感染源が母親の産道に存在するであろうと言うことは,1910年Fritsch等4),1911年Heymann5)が新封結の子供を産んだ母親の産道からの材料を結膜に接種してプ氏小体陽性の結膜炎が起ることを発表して以来,一般に承認されて居る。特に産道から直接にプ氏小体を証明したものとしては,Thygeson等6)7),Braley8),岡村氏等9)の報告があり,何れも産道に於てはプ氏小体は子宮頸管部にのみ証明されることを主張して居る。然し子宮頸管部に於けるプ氏小体の検索は結膜に於ける検査よりも種々の困難を伴うので証明率が極めて低い。特に我国では子宮頸管部の上皮擦過標本からプ氏小体を確実に証明した報告は未だ無い状態で,最近大石教授10)11)12)は多数の婦人生殖器を検索して1例もプ氏小体を証明しなかつたことから,生殖器に於けるプ氏小体の存在を否定せんとする発表をして居る。
 著者は昭和29年以降本院に於て経験した新封結4例について母親の子宮頸管部,子宮腟部,腟の上皮擦過標本を作りプ氏小体の検索を行つた結果,1例に於て子宮頸管部より定型的なプ氏小体を証明し得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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