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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻3号

1961年03月発行

文献概要

特集 第14回臨床眼科学会号(2) 綜説

網膜動脈塞栓症に続発した緑内障の2例

著者: 岩田和雄1 早津尚夫1 大野晋1

所属機関: 1新潟大学眼科

ページ範囲:P.409 - P.413

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 緑内障が網膜中心静脈の閉塞後に屡々起ることに就ては従来よく知られるところであるが,網膜中心動脈の閉塞後にも起るものであつて,これが如何にして起るかに就てはいろいうと意見がある。Duke-Elder (1940)は網膜中心動脈塞栓症の合併症として続発性緑内障が稀にある。このある例では前房隅角部の炎症とneovascular changesがあつたが,他のものではco-existent venousthrombosisによるものであつたと述べている。又Sommer (1949)は中心動脈塞栓後の緑内障は前房隅角の変化によるもので恐らく中心静脈血栓のときと同じ様な原因が働いて続発緑内障を惹起するものであろうと記し,Benton (1953)は病理学的所見から中心動脈閉塞後の緑内障は続発性緑内障に属すべきもので,原発性緑内障の偶然の合併ではないと述べている。最近Zimmerman他(1959)は中心動脈閉塞後に起つた緑内障6例を臨床的病理学的に検索して中心動脈閉塞後の緑内障はあきらかに中心静脈血栓後の緑内障と異つたclinicopathological entityであると記載している。
 私共は中心動脈塞栓症に続発したと思われた緑内障を2例経験したのでここにその経過を記載してこの問題に就て考えてみたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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