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特集 第14回臨床眼科学会号(3)
他覚的視力測定法に関する実験—第10報改良法による自覚,他覚視力の比較
著者: 中尾主一1 木勢恵三1 松村敏昭1 宮沢勝彦1 上辻健夫1 森岡光子1
所属機関: 1奈良医大眼科教室
ページ範囲:P.484 - P.490
文献購入ページに移動視力の他覚的認定は,傷害程度の判定上,ことに労災補償における,詐病問題と関連して,従来より重大な関心をよせられていることは,いまさらいうまでもないことである。のみならず近時,Ohm氏,Goldmann氏を草分けとする(視性眼振)を利用せる他覚的視力測定法がとりあげられ,世界の注目を浴びつつあることは,昭和32年以来,われわれならびに山地氏らが発表せるとおりである。
ところで,従来の測定装置はすべて,1)一種類の視標を用い,視距離を変えて視力を測定する方法であつて,われわれが通常測定するラ氏環視力測定法のように5mの距離で測定するのとは異なること。および,2)0.1以下の視力測定が不可能であるという欠点がある。この欠点に関して,臨眼12巻3号に発表した装置においては,まだ考慮を払つていなかつたので,本実験においては,1)刺激野の縮小,2)視距離一定にした場合の視標の作製という二点の改良を試みた。
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