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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻4号

1961年04月発行

文献概要

特集 第14回臨床眼科学会号(3)

直視眼底鏡について

著者: 桑原安治1 川畑隼夫1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.527 - P.529

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 身体各臓器の疾患で眼底に変化を来すものが多く,特に高血圧症,糖尿病等の全身病の診断及び管理上,眼底検査は必要であり,最近眼科専門以外の医師の問でも眼底検査を行なおうとする傾向が強くなつて来た。
 検眼鏡は1851年Helmholtzに依り創案され,今日迄種々改良,老案がなされ多数の種類の検眼鏡が作製されて来た。本邦に於ても種々の優秀な検眼鏡が作られて居る。構造が比較的簡単であり,現在最も多く使用されているものにNeitz B型電気直像鏡がある。之は吾々眼科医にとつては使い易いものであるが,その構造上検者と被検者はなるべく接近して検査を行わねばならず,眼科以外の医師にとつては之が最大の苦痛と訴えられている。即ちNeitz B型電気直像鏡は角膜頂点より1cm以内に離れた位置で眼底検査が最良に出来る様に設計されている為である。大型の検眼鏡では或る程度離れた位置で検査出来るが,構造が複雑であり,価格も高く一般的でない。そこで構造も簡単であり,使い易く,検査にさほど熟練を要しない検眼鏡を試作して来たが,前置水浸レンズに光源を組合せたものがこの目的に適当であり,ほぼ満足すべき結果を得,更に市販一眼レフカメラと組合せる事に依り眼底撮影が可能であつたので,一応直視眼底鏡と名づけて茲に発表する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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