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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻4号

1961年04月発行

文献概要

臨床実験

利眼に関する研究補遺

著者: 申相舜

所属機関:

ページ範囲:P.592 - P.600

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緒言
 萩原氏は「今眼前に在る窓の棧を食指を以て蔽つた後,左右の眼を交互に閉じるときは,一方の眼を以て見るときにのみ,棧は指に蔽われ他方の眼を以て見るときには指が棧から甚しく離れ去つて居ることに気付く。即ち,吾々が何気なく斯うした実験を行うことによつて,普通の両眼視時には一般に両眼共同等の機能を行つて居るのではなくして,何れかの一方が主として働いて居るものであることを知る。この現象を利眼と名付ける。」と大日本眼科全書に記載して居られる。この現象と,利手に類する利眼と云う概念は1903年Rosen—bach氏によつてはじめてもたらされ,その後Griesbach (1919),Engeland (1922),Krameru.Schutzenhuber (1925),Esser (1927),Hillemanns (1927),Litinsky (1927),Downey(1930),Cuff (1931),Miles (1931),荘司(1931),豊島(1942),和田(1948),長又(1949-51)氏等によつて幾多の研究が重ねられた。
ところで,利眼の定義であるが,荘司氏は「両眼の視力ほぼ同一にして両眼視するに際し,吾人は無意識的に一眼を以て稍々茫然と観望する間に他眼を以て著眼諦視するを普通とし,その後者を利眼と云う。」

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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