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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻6号

1961年06月発行

文献概要

連載 眼科図譜・73

強度近視に伴う黄斑出血

著者: 桐沢長徳1 菅原脩二1

所属機関: 1東北大学医学部眼科

ページ範囲:P.699 - P.700

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〔解説〕
 強度近視の眼底,殊に黄斑に屡々小出血の見られることは周知の如くである。大ていは乳頭大以下の小円盤状のことが多いが,本図のように出血斑の周囲に放射状の突起を有することは比較的珍らしい。このような出血は黄斑部網膜の特殊構造によるもので,Henley氏層と呼ばれる網膜繊維の放射状排列によるものである。即ち放射状繊維に沿つて出血が浸潤したもので,黄斑部に出現する星芒斑の形と相関を有している。
 強度近視の黄斑出血はたとえ吸収されてもそのあとに黒色々素を残すことが多く,従て視力の完全恢復はむずかしい。いわゆるFuchs氏斑(1901)は強度近視の黄斑に生ずる黒点を称するが,その出現に際しては比較的急激な視力低下を伴うといわれている。多くは出血による網膜組織の破壊に基く二次的な色素増殖と見なされる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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