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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻6号

1961年06月発行

文献概要

印象記 第65回日本眼科学会総会印象記

3.印象記

著者: 徳田久弥1

所属機関: 1熊大

ページ範囲:P.777 - P.778

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 4月7日(2日目)。快晴だが,東京の4月に特有の風が強い。2日目午前の焦点は,ERGである。宿題報告の前の年には,同じテーマの演題が目白おしに並んで活況を呈するのが毎年の慣いであるが,今年もその例にもれず,6題のERGについての報告が行われた。座長は来年宿題担当の中島教授(順天大)。 まず,これも来年宿題担当の金沢大から.律動性小波についての報告が2題つづいて行われた。最初の升田氏は家兎における実験結果を報告し,ついで都筑氏が臨床的に応用した結果,視神経炎や網膜中心静脈血.栓症では消失をみないのに,葡萄膜炎や緑内障末期・糖尿病性網膜症では消失するということを報告した。律動性小波の本体は,米山氏の追加によれば尚不明のようだが,網膜血管硬化では存在し,糖尿病ではまだ眼底に変化を起していないときでも消失するという結果については,追加討論が集中し注目を惹いた。真鍋氏等(阪大)は家免を用いての実験で,全身を冷却すると20℃でb波が消失するが,局所冷却でも摘出眼でもそのようなことが起るところから心機能に関係した阻血によるものではないことを結論。つづく志和氏(岩大)の実験的眼圧上昇実験で,眼圧差を大きくするとb波に消失傾向が認められるところから,b波の消失と網膜動脈血流との問に関係を想定した結論と対照的のように思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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