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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻8号

1961年08月発行

文献概要

臨床実験

角膜脈波発生起源に対する2,3の考察

著者: 川嶋菊夫1

所属機関: 1慶大眼科教室

ページ範囲:P.889 - P.894

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I.緒言
 慶大式電気眼底血圧計により記録される角膜脈波の発生起源に就いては,広石氏1)は実験躁作上に於ける解剖学上の面より,鈴木氏2)及び其他の人は臨床上のDataより考察され,この脈波の発生源は脈絡膜血管にあると報告された。著者3)5)は実験上及び臨床上の成績を検討した結果,網膜中心動脈がその主体性を握り脈絡膜動脈,又前毛様動脈(虹彩,毛様体動脈)が之に関与するが,それはむしろ従であると報告した。飜つて考える時,眼内循環は網膜中心血管,脈絡膜血管及び前毛様血管,(虹彩,毛様体血管)の血液循環により行なわれている事は解剖学上より明らかな事実である。
 然し之等の血管がそれぞれ個々独立的に単純な状態の下に循環を営なんでいるとは老えられない。Duke-Elder,Wessely氏4)等は眼循環を支配する因子には,全身循環の各種条件により影響を受ける面,及び眼循環自体の独立性を有する面が存在することを述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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