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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻9号

1961年09月発行

文献概要

臨床実験

眼球突出を初発症状として発病したアレルギー性血管炎の1例—附,眼窩炎性偽腫瘍について

著者: 長南常男12 薄井勇雄3 寺田保郎3

所属機関: 1東京医科歯科大学部眼科学教室 2国立立川病院,眼科 3東京医歯大眼科

ページ範囲:P.977 - P.982

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 アレルギー性血管炎は,所謂膠原病に所属する疾患であるが,臨床的診断名ではなく,病理組織学的にのみ決定される診断名である。その主病変は,結節性動脈周囲炎に於ける病変部位より更に末梢の細小動静脈に生ずる。膠原病に所属する疾患は,臨床的には急性リウマチ熱,慢性関節リウマチ,汎発性鞏皮症,全身性紅斑性狼瘡,皮膚筋炎,結節性動脈周囲炎等が挙げられる。これらの膠原病による眼窩疾患の報告例は極めて稀であるが,著者等は眼球突出を主訴とし,臨床的には眼窩炎性偽腫瘍と診断されたが,死亡後の剖見により,膠原病に所属するアレルギー性血管炎と診断された症例を経験した。眼窩炎性偽腫瘍の原因は,現在も尚不明である例が多いが,本症例はその原因を究明する一資料となろうと考えられるので,臨床並びに剖見所見及び私見を述べ,諸先輩の御批判を乞う次第である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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