icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科15巻9号

1961年09月発行

文献概要

臨床実験

視束乳頭部に原発したRetinoblastoma Exophytumの1例

著者: 小原博享1 大橋克彦1 赤塚俊一1

所属機関: 1名古屋鉄道病院

ページ範囲:P.983 - P.988

文献購入ページに移動
Ⅰ.緒言
 Glioma Exophytumは甚だ稀なGliomaRetinaeであるが,私は満10歳の女性で,視束乳頭部に限局した腫瘍で,眼内での増殖は極めて僅かで,却て,視神経を経て,脳内迄も進展し不幸な転帰を取つた一例を経験した。然も,本例は臨床上は全く視神経に原発したGliomaの如く考えられ,然も,網膜及び視神経の腫瘍の組織学的所見ではmeduloblartomaと考えられるのであるが,脳内のGliomaの組織学的所見から網膜が原発巣である事が判明した例である。この事は,視神経原発のGliomaの組織学的所見検索上注意を要す可き事である。
 本例症は9歳4カ月頃より発病し,満10歳にて死亡した例で,Glioma発生年齢としては比較的高年齢に属する事,及び,かかる年齢の児に発生するGliomaとしては,比較的,腫瘍の進展が急激であつた事も稀な例症であるので敢て報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら