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臨床実験
2,3の前眼部患疾に対するε—アミノカプロン酸の局所使用の効果に就て
著者: 植村恭夫1 飯高和子1 水口勇臣1 高木その1
所属機関: 1慶大眼科教室
ページ範囲:P.999 - P.1004
文献購入ページに移動線維素溶解現象は,近時基礎医学,臨床医学の各領域より注目られ,各種疾患に於ける病態究明の上からも極めて興味ある問題とされている。眼科領域では此の問題に就ての研究は殆んど行われていないが,著者の1人植村はさきの臨床眼科学会(第14回)に於て眼疾患と線維素溶解酵素に関する報告を行い,眼科方面でも多くの疾患に本現象が密接な関係があることを強調した。即ち,網膜硝子体出血とプラスミン活性とは極めて密接な関係があり,視束炎,葡萄膜系疾患の中にはプラスミンが重要な役割を演じているものがあることを報告した。更に,緑内障の眼圧上昇とプラスミン活性の問題に就ても言及した。最近著者等は眼アレルギーと線維素溶解現象(以下線溶現象と略す)との関係に就て検討を試みているが,今回はアレルギー性の眼瞼結膜疾患に就て抗プラスミン剤であるε—アミノカプロン酸を局所に使用し,其の治療効果の面より,此等アレルギー性前眼部疾患に対する線溶現象の役割を考察してみることとした。
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