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臨床実験
フラビタン(FAD)テノン氏嚢内注射による眼精疲労の治療
著者: 山本由記雄1 並木緑也1 馬場みつ1 加藤美智子1
所属機関: 1都立駒込病院眼科
ページ範囲:P.1005 - P.1008
文献購入ページに移動ビタミンB2の在来の型すなわち遊離型のリボフラビン(FR)と,その燐酸エステルであるfla—vin-mononucleotide (FMN)及びflavine—nine-dinucleotide (FAD)の中,FADが最高の体内分布を示すことは既に衆知のことである。一方,VB2が投与された場合,小腸の吸収を経て,一部はFMN,一部はFRとなりつつ肝臓に達し,ATPとMgイオンによりFADとなり,生体の代謝系に利用される過程は,FADそのものを投与すれば,かなりの代謝系賦活の可能性を考えられ,又,局所投与による組織の呼吸作用の亢進が推測されるわけである。
事実,FADの皮下は云うに及ばず動静脈内適用,結膜下注射,眼軟膏の使用が旺んになつている現在であるが,私達はこれらの使用方法に検討を加え,テノン氏嚢内注射法を考案し,これを難治な眼精疲労を訴える患者に適用し,効ありと認めたので報告する次第である。
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