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綜説
サルコイドージスの眼症状について
著者: 桐沢長徳1 浦山晃1 山田酉之1
所属機関: 1東北大眼科
ページ範囲:P.7 - P.18
文献購入ページに移動サルコイドージスSarcoidosisの症例は欧米では1800年代から報告せられ,現在では世界各国各人種に広く見られるようになつたが,我が国に於ては注目されることが少く,最近に至つて漸く200症例を越すようになつた。これは近年,わが国に於ても本病に対する関心が高まり,従来ならば看過されていた症例が詳細な検査によつて本症と診断されるようになつた為で,このことは本症の疫学調査委員会(会長,岡治道博士)による調査成績(第5図)からも明らかであり,今後は本症の報告例が漸次増加するものと思われる。
眼科領域に於てもこの傾向は同様であつて,殊にわが国での症例報告は1951年以来であるが,次第にその報告例は増加して来て居り,わが教室に於ても1955年(昭和30年)より1959年(昭和34年)までは7例,1960年(昭和35年)より1961年(昭和36年)4月までは13例を数えた。しかも,注意して観察すれば,本症はさほど稀なものではなく割合に多いものと思われるので,われわれは上記の20症例を中心として本症の症状を検討し,臨床家各位の御参考に資したいと思う。
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