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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科16巻1号

1962年01月発行

文献概要

臨床実験

Haab黄斑病の2例

著者: 坂口健1

所属機関: 1和歌山県立医大眼科

ページ範囲:P.61 - P.64

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I.緒言
 周知の如く眼球の鈍体打撲の場合,黄斑部が最もその影響を受け易い所である。之について早くから注目したのはHaab (1888)であつて,彼によると外力の極めて弱い時は殆んど影響を受けないが,少し強いとBerlin溷濁が起り,なお強い時には所謂Haab黄斑病が起ると言う。即ち外力によつて黄斑部に組織の変化を来たし永久的障害を残すのである。これは血管系の障害を起す結果色素上皮,視細胞等の障害を起すものと想像されている。従つて視力の障害は高度であり,中心絶対暗点を証明し,回復は困難とされている。
 私は最近,製材工場にて電気鋸で製材中,木節の飛来による外傷で起つた2例の本症を経験し,照度の変化による視野の変化を追求したところ,興味ある結果を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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