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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科16巻1号

1962年01月発行

文献概要

臨床実験

緑内障に対する新降圧利尿剤Diurexの効果について

著者: 山地良一1 渡辺千舟1 和田光彦1 吉原正道1 坂下勝1 志水久子1

所属機関: 1大阪医大眼科

ページ範囲:P.81 - P.82

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I.はじめに
 緑内障の薬物療法は,秀れた炭酸脱水素酵素抑制作用を持つDiamoxの出現以来,非常な進歩を遂げたが,DiamoxはNa,KおよびHCO3−を著明に排泄するがClの排泄は少ない。このために体内電解質平衡を乱し,特にHCO3の過剰排泄による体液のAcidosisを来し,短期間で耐性化する傾向を持つている。
 このために長期使用が不可能という欠点があり新たなる薬物の出現が待たれていたのである。今回,Chloro−2=4—disulphamyl-toluene (製剤名Diurex)が発売されたが,このものの炭酸脱水素抑制作用は,Diamoxに比しやや劣るが,耐性は少なく,且つ電解質平衡を乱さず,長期の使用が可能である。これらの長所から,急性および慢性緑内障治療に使用する価値が大いにあると考え,数例の該疾患患者に投与し,臨床成績を観察する機会を得たので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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