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臨床実験
日本人の網膜芽細胞腫に於けるロゼット形成の頻度
著者: 塚原勇1
所属機関: 1京都大学医学部眼科教室
ページ範囲:P.1233 - P.1235
文献購入ページに移動I.緒言
著者は,数年前に,コロムビア大学のInstituteof Ophthalmology of Presbyterian Hospitalにある米国人の網膜芽細胞腫Retinoblastomaの標本の中から,その一部150例について病理組織標本を見る機会があつた1)。その後,教室にある同疾患の標本を見ているうちに,日本人の網膜芽細胞腫ではロゼット形成の頻度が低いのではないかという印象をもつようになつた。そこで,主として昭和25年以降の教室の材料についてロゼット形成をしらべて,彼の国の材料と比較してみた。それは,同じ著者が,異つた国,異つた民族に於ける材料と,自国の材料とを同じ観点にたつて観察比較する機会は少ないと思われるし,又,興味のある事とも思えたからである。
著者は,数年前に,コロムビア大学のInstituteof Ophthalmology of Presbyterian Hospitalにある米国人の網膜芽細胞腫Retinoblastomaの標本の中から,その一部150例について病理組織標本を見る機会があつた1)。その後,教室にある同疾患の標本を見ているうちに,日本人の網膜芽細胞腫ではロゼット形成の頻度が低いのではないかという印象をもつようになつた。そこで,主として昭和25年以降の教室の材料についてロゼット形成をしらべて,彼の国の材料と比較してみた。それは,同じ著者が,異つた国,異つた民族に於ける材料と,自国の材料とを同じ観点にたつて観察比較する機会は少ないと思われるし,又,興味のある事とも思えたからである。
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