文献詳細
特集 第15回臨床眼科学会号(2)
文献概要
鞏膜下ジアテルミー法の術式を映画によつて解説した.鞏膜をとおしてジアテルミーで焼くことは,生体に対する侵襲がきわめて大きい。鞏膜下に焼くことのほうがはるかに侵襲が少ない。火傷の侵襲は切傷の侵襲よりはるかに強いからである。鞏膜下(subscleral)ジアテルミーを行つて2カ月後に局所を開いてみると,鞏膜は手術前よりがえつて強固に厚くなつている。ふたたびその部を開いて糸をかけてみても,組織はいたんでいない。鞏膜をとおして(diascleral)ジアテルミーで焼いた所を2カ月後に開いてみると,鞏膜組織はボロボロになつており,ピンセットでつまんだだけでもちぎれてしまう。糸をかけても組織が破れて切れてしまう。
鞏膜を全周の1/3切開し短縮することは,視機能になんら悪い影響はない。若年者高度近視の人に水晶体全摘出をする予備手術としてこれを常用しているが,視野の大きさや視力に悪い影響を与えたことはない。
鞏膜を全周の1/3切開し短縮することは,視機能になんら悪い影響はない。若年者高度近視の人に水晶体全摘出をする予備手術としてこれを常用しているが,視野の大きさや視力に悪い影響を与えたことはない。
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