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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科16巻3号

1962年03月発行

文献概要

特集 第15回臨床眼科学会号(2)

悪性網膜剥離の治験例

著者: 浅山亮二1 岸本正雄1 塚原勇1 坂上英1

所属機関: 1京大眼科教室

ページ範囲:P.333 - P.343

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 網膜剥離の眼底所見や症状は,誠に多様であり,これに対してすべての症例に万能であるという標準の手術術式はない。対象が視機能と直接に関係のある網膜であり,手術侵襲はこれを損傷することをできるだけ少ないものを選び,しかも,剥離を治癒せしめるのに十分な手術をためらうことなく初回手術時に行なわなければならない。ディアテルミー凝固法は,剥離網膜の復位手術に大きな貢献をしてきたが,その後の鞏膜切除術Scleral resection,鞏膜締結術Scleral bucklingの発展は,ディアテルミー凝固法で治癒せしめえぬ重症例をも救い,治癒成績を一段と向上せしめた。現在では,われわれは,もつばらディアテルミー凝固法のみに依存していたころと異なり,種々の術式をもつている。したがつて,各症例ごとにもつとも適した術式を選択施行することが多く,網膜剥離の復位手術は,一段と多彩なものとなつてきている。
 本稿では,われわれが最近取扱つた重症例に対する術式を,2,3の症例を付しつつ記述したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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