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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科16巻3号

1962年03月発行

文献概要

臨床実験

各種眼疾患に対するBTMP中大量療法の経験

著者: 山本由記雄1 馬場みつ1 加藤美智子1 吉川浩子1 樋川豊子1 石崎百合子1

所属機関: 1都立駒込病院眼科

ページ範囲:P.359 - P.363

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 ビタミンB1塩酸塩の大量経口投与が,わずか5〜10mgを腸壁よりの吸収の頂点として,残余は糞便中よりの体外放出に終つてしまい,この企図は非経口投与による以外成功せず,この方法では体内貯溜時間が短いという点が欠点であり,ビタミンB1は治療薬としては傍役的存在であるにすぎなかつた。これを主役的位置に引き上げたのがS-Benzoylthiamine O-Monophosphate (BTMP)の出現である。すなわち,従来のVB1剤に比べて毒性は低く,アノイリナーゼに抵抗性をもち,吸収容易にして活性型のコカルボキシラーゼに転換されやすい点,無臭である点,経口投与量に比例した体液内B1濃度上昇が可能である点などの利点を示すビオタミンがこれである。私どもは三共KKより1g中にビタミンB1塩酸塩に換算して100mg含有するBTMPの製剤ビオタミン10倍散の提供を受け,各種眼疾患に投与を行ない,良好な成績をえたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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