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特集 第15回臨床眼科学会号(3)
眼症状を著来した拡張性前頭洞炎及その治療成績
著者: 山中昭夫1 千葉剛1 赤松鉄夫1 坂牧弓絃1 山本隆朗1 山崎小百合1 細見英男2 辻一江2
所属機関: 1神戸医科大学眼科 2神戸医科大学耳鼻科
ページ範囲:P.428 - P.436
文献購入ページに移動Orbitaは解剖学的に副鼻洞と密接な関係を有し,このために副鼻洞の病変は容易に眼窩内に影響を及ぼすことは古くMarx,Birch,Hilschfeld等により注目されている。特に前頭洞の解剖学的な形状よりして最も発生することの多い拡張性前頭洞炎(Frontal Mucocele)は診断,治療,後療法の見地から,眼科的な知識のみでなく,耳鼻科的な知識が必要とされる。我が眼科学界に於いて,Frontal Mucoceleの症例は,1910年宇野が報告して以来約70人の報告者がある。しかし眼科中的,耳鼻科的な所見の遠隔成績迄観察報告した例は,再発例の報告を除いてはあまり見られない。我々は昭和30年1月以来,本年9月迄の約7年の間に神戸医科大学眼科及び耳鼻科が協同して診察し,手術的療法を行い治癒せしめた拡張性前頭洞炎を12例経験した。これらはいずれも種々の著しい眼科的症状を伴つており,且つMucoceleの病型という観点からみても種々の興味ある症例が含まれていた。今回我々はこの12例について眼科的,鼻科的な症状の変遷を詳細に報告すると同時に,その中,遠隔成績を得る事の出来た8例について興味ある知見を得る事が出来たので併せて発表する。
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