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特集 第15回臨床眼科学会号(3)
葡萄膜炎並に化膿性眼疾患に於けるアゾ化葡萄球菌及び連鎖球菌蛋白皮内反応の臨床的意義
著者: 朝岡力1 鬼怒川雄久1
所属機関: 1東北大学医学部眼科教室
ページ範囲:P.499 - P.499
文献購入ページに移動Behcet氏病では高い陽性率と陽性度を示し,それは本病の全経過に於て刺激性亢進に平行する,本検査により発作を誘発した場合が20%近くあつた,又本検査の跡が後に来た発作に際して局所反応を呈する事がある,発作期に於ける陽性率の変化は発作前半期又は発作直前に中最も高率かつ高度で発作後半期では平静期よりも減弱している,本反応の陽性化の機転は本病の非特異的反応性亢進が主体となり,二次的な細菌感染による感受性獲得が副因になつていると考えられる。一般の内因性葡萄膜炎に於ても比較的高度の陽性率と陽性度を示す,それらは葡萄球菌又は連鎖球菌の侵襲によるもの又はアレルギーによるものと考えられ,抗生物質の投与又は病巣の探知と除去を行うべきである,それらが否定されたらBehget氏病と同様に非特異的反応性亢進状態にあると考えられる,葡萄膜炎の病型による陽性率の変化は前部,汎,後部葡萄膜炎では前者に於てやや高率であつた,非肉芽性,肉芽性炎症の病像別では連O-A—Pは前者がより高率であつた,病巣認知例では非認知例に対してより高率であり,又皮膚,腎臓,関節等に疾患を認める例も同様により高率であつた。
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