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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科16巻5号

1962年05月発行

文献概要

臨床実験

デカセルピンによる網膜色素変性および結節状角膜炎を伴なつた白点状網膜炎の治療

著者: 内田幸子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.615 - P.618

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I.緒言
 Rauwolfia serpentinaから抽出したアルカロイドの研究は高血圧治療の領域において,近年すばらしい進歩をみせている。Rauwolfia剤レセルピンの降圧作用は中枢性血管拡張作用に基くものとされ,ことに視床下部に対する抑制作用が考えられ,鎮静作用もあり,降圧効果は緩徐で持続性の大きいことが特徴とされている。しかしこのレセルピンの臨床使用に際して,血圧降下作用以外に無視できない障害として精神抑圧作用,下痢,鼻づまり等があげられている。レセルピンの大脳抑圧作用をとりのぞいたものとして,1958年Velluzらによつて新しい製剤が合成された。 これがすなわち,デカセルピンDecaserpine (10—Methoxydeserpidine)(中外製薬)1)で,その構造式は次に示す通りである。
 私はさきに網膜色素変性に対し,レセルピン剤の有効なることを報告したが,今回デカセルピン錠(1錠10mg)を網膜色素変性および結節状角膜混濁を伴つた白点状網膜炎の治療に用いて,みとむべき効果を得たので,その成績についてのべる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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