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日本トラホーム予防協会会誌
農村における住民トラコーマ集団検診及び治療に就いて(第2報)
著者: 浅水逸郎1 安岡敏夫2 水野敏夫3 朝岡力4 野家美夫5 茂庭秀高6
所属機関: 1岩手県立中央病院 2高知市民病院 3岩手県気仙病院 4東北大学眼科教室 5宮城県衛生部予防課 6宮城県宮黒保健所
ページ範囲:P.1 - P.11
文献購入ページに移動宮城県に於けるト罹患率の報告は比較的乏しい。本県の特に農漁村に於けるトは生活水準及び一般的衛生思想の向上にも拘らず依然として40%を超えるものと推定される。
昭和28年,宮城県衛生部,角田保健所及び東北大眼科が行つた宮城県伊具郡金山町のト集団治療においては,2,141名の受検者(受診率97.6%)のうち,578名,27.6%(Tr.IVを含まず)のト罹患率を認め,治療に際して1%オーレオマイシン眼軟膏1日2回点入,135日間の成績は379名,65.6%の治癒率を得た。昭和31年度の再検診に於ては25.3%(Tr.D〜Tr.IV)の罹患者のうち要治療者(Tr.D〜Tr.III)は284名15.5%であり,此等の患者に1%アクロマイシン眼軟膏1日1回の点眼治療を行い治癒率64%,殆んど治癒を含めて77.5%の成績を得て,昭和28年度罹患者に較べて要治療者を64名11%迄に減少せしめト感染源の地域的撲滅が相当程度効果的であることを確かめ得た。
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