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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科16巻6号

1962年06月発行

文献概要

手術

白内障手術後の前房出血に就ての考察—大橋教授開講15年記念諭文

著者: 飯塚哲夫1 岡田甫1

所属機関: 1慈大眼科教室

ページ範囲:P.723 - P.726

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 白内障手術の厄介な偶発症の一つとして前房出血がある。之には手術直後に見られるものと,手術後日数を経て起る後発性のものとあるが,手術時に見られるものは多くは結膜血管の損傷によつて起つた出血が創口から前房内に流入するもので,多くは軽度で数日で吸収され余り問題にならない。然し後発性のものは相当激しい出血を来す場合があり,瞳孔閉鎖や緑内障を惹起し厄介なものになる事がある。此の様な後発性の前房出血の原因については以前から色々考えられて居り,或いは動脈硬化,高血圧,虹彩刺激,虹彩切除等が原因として挙げられ,或いは又眼圧との関係,角膜切開の位置等が問題にされている。
 結局此等の原因に於て何れが最も重要な意味を有しているかが問題で,此の点が判明すれば,前房出血を予防し,防止する事が可能となると考えられるので,今回当教室一年間の白内障手術患者88例について,前房出血の状態を検討してみたので此処に報告する次第である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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